暮らしのヒント

「お金」ってそもそも何なのか?~『貨幣の「新」世界史』を読む

2018年5月2日

ブタの貯金箱

みんなお金が大好きですよね。でも、お金って、そもそも何なんでしょうか?

どうしてそんなにみんなを魅了できるんでしょうか?

わたしたちはお金に感情を左右されます。お金があれば幸せを感じ、少なくなると暗い気持ちになります。時には人生を左右されます。お金のために人を裏切ったり、間違った道へ進んだり・・・

お金は強力なパワーを持っています。

そんなお金はどうやって生まれたのでしょうか?

そしてどのように進化していくのでしょうか?

お金にまつわる沢山の疑問の答えが知りたくて、『貨幣の「新」世界史』を読みました。

 

お金の本質とはなにか?を知るための読書

貨幣の「新」世界史──ハンムラビ法典からビットコインまで (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

貨幣の「新」世界史──ハンムラビ法典からビットコインまで (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

カビール セガール
1,188円(01/19 14:34時点)
発売日: 2018/10/04
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タイトルは『貨幣の「新」世界史 ハンムラビ法典からビットコインまで(カビール・セガール著、小坂恵理訳)』。

原題は「Coined the Rich Life of Money and How Its History Has Shaped Us」(お金の豊かな一生、それはいかに歴史を通じて私たち人類を形成してきたか)です。

著者のカビール・セガールさんはJPモルガンに勤めていたそうです。新興市場部門という部署のヴァイス・プレジデント(日本でいえば部長レベル?)だったとのこと。

アリババのIPOなどを担当したそうです。なんと、ジャズミュージシャン(ベーシスト)でもあるそうで、プロデュースした作品がグラミー賞を受賞したとのこと。また、執筆した児童書がベストセラーになったり、大統領のスピーチライターも務めたことがあったりとマルチな才能を持っている人物なんです。

本書はお金をさまざまな角度から分析し、その発生から今日そして未来の姿まで考えます。

論考は、生物学、脳科学、心理学、行動経済学、人類学、宗教学、芸術、古銭学・・・など実に多岐にわたります。

それもそのはずで、著者はこの本を書くにあたって数百冊もの書物を読み漁ったそうです。そして、「お金」の起源とその魔力に迫るため、日本を含む世界25か国以上を訪れ、専門家に取材を重ねたとのことです。

お金を定義しても答えはでない

お金に関する一般的な定義(経済的な機能)としてよくあげられるのは次の3つです。

「交換の手段」としてのお金

「価値の尺度」としてのお金

「価値の保存」としてのお金

著者はそれらのような物質的、経済の教科書的な定義に加え、もっと広くお金というものを定義します。

心理的で精神的な領域まで広げた価値のシンボルとしてのお金です。

「お金は何か価値のあるものや大切なものの象徴」だと述べています。

でも価値あるものや大切なものってなんなのでしょうか?「命」や「愛」や「生きがい」でしょうか?

お金ってなんなのか、その答えがモヤっと消えてしまった気分になりました。

お金について広く浅く考えてみよう

本書の構成と内容をザックリとまとめます。3部構成になっています。

1部 精神(アイデアのルーツ)

~「なぜ」私たちはお金を使うのか、「交換」の起源をめぐり、ガラパゴスへ~

1、生物の進化の過程でエネルギーの交換(交換の生物学的起源)
お金の生物学・心理学・人類学的な考察

2、私たちの金融上の決断に関して心理学、神経科学の面から考察する(お金の心理学的分析)

3、社会脳(集合知)の力について、物々交換ではなく負債からお金は発生した(債務の人類学)
債務、贈り物がさまざまな文化でどう扱われているかを人類学的に考察(日本のお中元・お歳暮、バレンタインにも触れています)。

2部 身体(お金の物質的形態)

~お金とは「何」だろう、お金の物質的形態の歴史と未来を考察する~

4、ハードマネー(硬貨)、ニューヨーク連邦準備銀行の地価の金地金の見学、金属としての貨幣の歴史(ハードマネーの簡単な歴史)

5、ソフトマネー(紙幣)、紙幣による貨幣制度、ドルの歴史(ソフトマネーの簡単な歴史)

6、未来のお金(お金の未来)

3部 魂(価値の象徴)

~私たちはお金を「どのように」使うべきだろうか~

7、世界の主な宗教がお金をどのように取り扱うべきか細かく指導していることの紹介
キリスト教の聖書、ユダヤ教の律法(トーラー)、イスラム教のコーラン(イスラム教は利子を否定しています)、ヒンドゥー教の聖典ヴェーダ
「少ないほど良い/足るを知るべきだ」というロジックをどの宗教も共有している

8、バングラデシュの田舎町、トルコ、タイ、南アフリカ、スリランカ・・・25か国以上の途上国を訪問し、お金に表現された芸術について考えます。
コインに刻まれたシンボルとそのシンボルにはどんな意味が込められているのかを考察、米国のダブルイーグル金貨の紹介

「お金」ってそもそも何なのか?の答えは見つからない

残念ながら結構どこかで読んだり聞いたことがあるようなお話しが多かったです。お金についての沢山の疑問、わたしにとっての「これだ!という答え」を得ることはできませんでした。

古銭についての話題は全く知識がなかったので面白かったです。米国のダブルイーグル金貨は初めて知りました。

数十年レベルでの投資を考えたらビットコインや株よりもダブルイーグル金貨のような骨董的価値があるアンティークコインが確実なのでは?と考えさせられました。(もっとも、わが家にはそんな余裕はありませんが・・・)

いちばん興味深かったのは、第1部の最初の章、生物的なエネルギーと貨幣を結びつけたところです。

エネルギーもお金もどちらも循環し続ける流れに例えられる。貨幣(currency)の語源はラテン語のcurrere(クレレ)で”流れる”とか”走る”という意味を持っている。

貨幣はエネルギーの代用品として進化した可能性が考えられる。

こんな観点からお金を考えたことはありませんでした。でも、「生物の進化の過程で得た仕組み」と「貨幣の持つ仕組み」に密接な関係があるとしたら・・・なんて想像してしまいました。

生物と非生物を区別する条件のひとつに「代謝」というものがあります。「代謝」って外界からエネルギーを獲得することです。貨幣によるエネルギーの「交換」と似ていませんか。

お金が持つ強力なパワーの秘密は、私たちの遺伝子に内在する生物の生存の仕組みと密接に関係している・・・そんな神秘的でワクワクすることを妄想してしまいました。

この本の正しい使い方

各章はもう少し掘り下げて欲しいなあ、というところで終わります。広く浅く書かれています。

「お金」ってそもそも何?を知るための入門書、「お金」をめぐる冒険のための案内書、といった本です。

参考文献が豊富なので、そこから広げるポータル的な書物としてこの本をオススメします。

広範囲な知識が手軽に身につくので、最初に読む本としてはベストです。この本を足掛かりに色んな本を読んでいくのがいいでしょう。

わたしも次に読むべき本を探すため、本書に何度も目を通すと思います。

参考文献が豊富、その中で読みたいと思った本

巻末の参考文献から面白そう!読みたい!と思った本をピックアップしてみました。時間を見つけて少しずつ読んでいこうかな。

「ヒューマンアクション―人間行動の経済学」

「熱狂、恐慌、崩壊―金融危機の歴史」

「最強のヘッジファンドLTCMの興亡」

「進化の存在証明」

「利己的な遺伝子」

「マネーの進化史」

「合理的市場という神話:リスク、報酬、幻想をめぐるウォール街の歴史」

「リスク、人間の本性、経済予測の未来」

「ファスト&スロー」

「ビジネスがうまい人の賢い考え方」

「塩の世界史」

「21世紀の貨幣論」

「しらずしらず:あなたの9割を支配する「無意識」を科学する」

「通貨戦争:崩壊への最悪シナリオが動き出した」

「それをお金で買いますか」

「ブレトンウッズの闘い:ケインズ、ホワイトと新世界秩序の創造」

「あなたとお金と投資脳の秘密:神経経済学入門」

まとめ

「お金」ってそもそも何なのか?その答えはひとつではないのでしょう。

わたしにとっての答えあなたにとっての答え、今日の答え、明日の答え・・・

無数で変化する答えがあるのかもしれません。

でもひとつだけ確かな答えがあります。それは、みんなお金が大好き!ということ。

わたしももちろん大好きですよ!残念ながらいつまでたっても片思いなんですが・・・

 

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当ブログの管理人。大阪在住のアラフィフおやじ。 日々の生活で得た情報や、失敗したことなど、少しでも役立ちそうなことを書いていきたいと思ってます。老後の趣味にして、ヨボヨボになるまでやるつもり。末永くよろしくお願いいたします。

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