築年数の古い分譲マンションに住んでいます。
古いのでネット回線はVDSL方式になります。
VDSLはアナログなので速度が遅いと言われていますよね。
わが家の場合、通信速度は75~80MbpsとVDSLのほぼ上限速度を実現できています。
実はこの速度、35Mbps程度だったのを簡単な作業だけで改善できた数字なんです。
忙しいあなたのために結論から言うと、
VDSL装置の設置場所(電話線コンセント)を変えることで改善することができました。
あくまでわが家の場合ですが、次のように速度アップしました。
- 遅い設置場所:35Mbpsくらい
- 速い設置場所:80Mbpsくらい
設置場所の移動についてはネットでもあまり紹介されておらず、見落としがちな視点だと思います。
本記事ではVDSLの速度改善について次の2つのポイントを紹介。
どちらも手軽にできる方法だと思います。
どこの家庭でも必ず有効だというわけではありませんが、うまくいけば大きく高速化ができるかもしれません。
「VDSLが遅いなあ」
「簡単にネットを速くする方法はないかな」
とお悩みのあなたは参考にどうぞ。
VDSLの速度は最大100Mbps
まずVDSLとその速度の限界について簡単に説明させてもらいます。
知ってるぞ~という方は次の「VDSL速度改善のポイント」まで読み飛ばしてください。
VDSLとは
VDSLとは光回線の接続方式のひとつ。
マンションなどの集合住宅で使用されています。
マンションまでは通信会社の光回線、マンション内から各部屋へは電話回線を使用して接続します。
2010年ごろまでに建てられた分譲マンションでは主流の方式でした。
なので築年数の古いマンションではこの方式であることが多いです。
最大速度は100Mbps
VDSLが使用している電話線はアナログ回線です。
光回線と違ってむっちゃ遅く、速度の限界が最大100Mbpsとなります(ベストエフォートでの最大値)。
最低理論速度はどれくらい?
VDSLの最大速度は100Mbpsですが、じゃあ最低速度はどれくらいなのか気になりますよね。
「うちは10Mbpsしか出てないけど!」
「50Mbpsだけどこれが上限?」
とか気になりますよね。
理論上の最低速度は光ケーブルの最大速度である1000Mbpsがいくつの家庭で共有されているかで計算できます。
各戸への経路として、まず外部からの光ケーブルがマンションに引き込まれています。
引き込まれたケーブルはマンションの共有施設にある集合装置へ繋げられ、そこから電話線を通じて各戸へ分岐されていきます。
つまりは1000Mbpsを集合装置から分けていくイメージです。
分岐数は基本的には16分岐となります。
まれにカスケード(たこ足配線のイメージです)して32分岐する場合もあるそうですが、だいたい16分岐のようです。
「うちのマンションは総戸数100あるから1000Mbps÷100で10Mbpsじゃないの」は間違いです。
マンションへ引き込まれる光ケーブルは1本とは限りません。
100分岐するなら集合装置からは7本以上のケーブルが引き込まれているはずです(7本✕16分岐=112分岐、32分岐だと4本以上)。
なので最大通信速度1000Mbpsを分岐数の16で割った62.5Mbpsが理論的に保証されている通信速度になります。
もし32分岐なら31.25Mbpsが最低保証の通信速度となります。
ただし、光ケーブル部分が1000Mbpsのパフォーマンスを出せていなかったり、ノイズによる通信劣化等で最低保証の速度以下となることもありえます。
もしVDSLを利用しているあなたの自宅の通信速度が62.5Mbps未満なら(32分岐なら31.25Mbps未満)、光ケーブル部分が遅い、VDSL部分で通信劣化があるなどが考えられます。
VDSL速度改善のポイント

よくある方法と見落とされがちな方法
よくある方法
VDSLの速度改善や高速化でググって調べると、よくある方法は次のものではないでしょうか。
- ルーターを買い替える
- IPv6(IPoE)に変更する
- プロバイダを変更する
ちなみに私はよくある方法は全部試しましたが、「どの方法もVDSLの高速化にはあまり有効ではない」という結論です。
理由は下記の通り。
- wifiルーターを買い替える:Wi-Fi 4規格(2009年)以降のモデルで100Mbps以下の性能のルータはない(=VDSLの速度以上の性能)
- IPv6(IPoE)に変更する:PPPoE IPv4でも最大200MbpsでVDSLの限界より高速、そもそも光回線部分の改善にしかならない
- プロバイダを変更する:NTT系や電力会社系なら光ケーブル部分が原因の可能性は低い(※ケーブルテレビ系は試したことないので不明)
見落とされがちな方法
これらのよくある方法は追加費用が発生したり、契約変更したりと大変です。
なのでとりあえずお金もあまりかからず、契約変更の手間もない次の2つを試してみてはどうでしょうか。
(もしくはよくある方法を実行したけど効果がない場合も試してみる価値はあると思います)
ノイズ対策をする
ひとつめはノイズ対策です。
電話線はアナログ回線(銅線、メタル線)です。
メタル線の悪い特徴のひとつに、ノイズを受けやすい、距離が長くなると品質が劣化するというものがあります。
マンションの各戸内では電話線コンセントからVDSL宅内装置(VDSLモデム)が電話線で繋がれています。
接続イメージ(一例)
[電話線コンセント]--- 電話線 ---[VDSL宅内装置]--- LANケーブル ---[ホームゲートウェイ]--- LANケーブル ---[wifiルーター]
ノイズの影響を受けて速度低下の原因となる可能性が大きいのが電話線部分になるそうです。
対策としては、
- 電話線をできるだけ短くする
- ノイズガードを使う
などがあります。
35Mbpsほどしか速度が出なかったので、私は下のノイズガードを使ってみました。

が、残念ながら通信速度に改善は見られませんでした。
ただし上記製品のレビューを見ると、
マンションのVDSLにつながっていたモジュラーケーブルがとても長かったので、こちらの1mと交換。
Amazonのレビューより引用
正直期待していなかったのだが、交換前はWIFI 70Mbpsだったのが74Mbpsに。
長さが問題だったのかノイズが問題だったのかは分からないが、少し改善されたようなので満足。
というのがあり、(わずかですが)速度改善されることもあるようです。
設置場所を変更する

ノイズガード付きのケーブルでノイズ対策しても速度改善しない場合、設置場所を移動してみましょう。
ノイズはケーブルだけではなく、コンセントまわりの壁内のケーブルやVDSLモデム自体が受けている可能性もあります。
わが家では、元々の設置場所がテレビの裏側のマルチコンセントだったので隣の部屋のコンセントに移動し、VDSLモデムやホームゲートウェイも移動しました。
すると速度が大幅に改善。
35Mbpsが75Mbpsとなりました〜♪
VDSLモデムなどの装置類がノイズの影響を受けているのか調べるため、コンセントは隣の部屋のまま、長い電話線でさっきのテレビ裏まで装置を持っていったところ、やっぱり75Mbpsと優秀な速度のままでした。
結論として次のことが分かりました。
- 装置がノイズを受けているのではない
- 電話線コンセントによってVDSLの速度が変わることがある
(※わが家の場合です)
コンセントに引き込まれている壁内の電話線が何らかのノイズを受けている可能性があるのでしょうか。
もしかしたらテレビのアンテナ線とかもあるマルチタイプのコンセントだからかもしれませんが、詳しいことは不明です。
とにかくコンセントを変えると大幅に速度改善することもあるので、設置しやすい部屋から順に移動して速度改善するか試してみることをおすすめします。
メッシュWi-Fiなら家の隅々まで電波が届く
速度改善できるコンセントがあっても、リビングから遠い場所だった。
なのでWi-Fiの電波がしっかり届かないかも・・・
と心配かもしれませんが、メッシュWi-Fiなら家中に電波が届きます。
わが家も使っていますがとても快適、コスト的に安く導入できる「Deco」という製品を使っています。
速くなくてもよい(今の速度で十分)
もしあなたの家の通信速度が30Mbps以上なら、今のままでも十分かもしれません。
YouTubeのシステム要件でgoogleが次のような数値をあげています。
必要な通信速度の目安になるかと思います。
動画の解像度 | 推奨される持続的な速度 |
4K | 20Mbps |
HD 1080p | 5Mbps |
HD 720p | 2.5 Mbps |
SD 480p | 1.1 Mbps |
SD 360p | 0.7 Mbps |
数ギガの大容量ファイルを頻繁にダウンロードアップロードするとか、動画がカクカクするとか、ゲームで遅延が出るとか・・・
気になる障害がなければ今のままでもいいかもですよ。
VDSLで速度改善できない場合はホームルーターがおすすめ
VDSLではネットが遅いのでどうしても速度改善したい。
色々試して、設置場所を変えても改善しない。
そんなあなたはホームルーターを検討してみてください。
現状のVDSL方式を光ケーブル方式やLAN方式に変更することは非常にハードルが高いです。
(理由:マンション共有部分の集合装置を変えたりケーブル引き込みの大規模な改修工事が必要)
ホームルーターなら回線工事不要、設置して電源を入れるだけで超お手軽に快適速度が手に入ります。
ホームルーターはWiMAX(au系)、ドコモhome 5G、ソフトバンクエアー、楽天モバイルなどから提供されています。
ホームルーターは携帯の電波を利用しているので、設置が簡単で速度も速いというメリットがあります。
各社、5Gに対応しているので下り4.2Gbpsの速さです。
5Gが届いていいない地域でも4G LTEなら1.7Gbpsの速度となります。
もちろんこれらは理論最大値なので実際は平均120~200Mbpsほどらしいですが、VDSLより大幅に速度改善できますよ。
実はホームルーターは各社競争が激しいため、キャッシュバックが大きいのも魅力です。
ドコモやソフトバンクといったキャリア本体のサイトから申し込むのではなく、代理店から申し込むことでキャッシュバックの恩恵を受けることができます(これは裏技でもなんでもなく、賢いユーザーなら普通にやっていることです)。
お得に申し込めるサイトを下表にまとめましたので、参考にしてください。
ホームルーター | 主なキャンペーン | キャンペーンサイト |
---|---|---|
ドコモ home 5G | キャッシュバック:15,000円 端末代実質無料 | アイ・ティー・エックス(株)![]() |
SoftBank Air | キャッシュバック:最大30,000円 他社解約違約金還元:全額 | (株)ネクスト![]() |
Rakuten Turbo | 6ヶ月間0円 スマホとセットで使うと20,000ポイント還元 | 楽天モバイル(株) |
とくとくBBホームWi-Fi | キャッシュバック:20,000円 他社解約違約金還元:最大50,000円 初年度実質月額無料 解約違約金0円&契約実質縛りなし | GMOインターネットグループ(株) |
2025年11月15日現在の情報です。予告なく変更されることもありますので、各サイトでキャンペーン情報を確認したうえでお申し込みください。
キャンペーンを利用せずに乗り換えるといった損の無いようにご検討ください。
まとめ

自宅マンションのネット環境がVDSLで遅い、速度改善する方法はないかと悩んでいる方に2つの方法を紹介しました。
- ノイズ対策をする
- 設置場所を変える
という方法になります。
必ずしも改善される保証はありませんが、低コストで比較的お手軽な方法です。
VDSLの通信速度をどうにかしたいあなたは一度試してみてはどうでしょうか。