ども、オクラです。
今回のIPOはチームスピリット(4397)です。
この会社、クラウドベースの業務管理ソフト「TeamSpirit」の開発・販売を行なっています。
なんと、製品名と社名が同じなんですねぇ。発足当初は違う社名だったようですが、平成24年に製品名にあわせて商号を変更したようです。
「社名=製品名」な企業で思い浮かぶのは、味の素、コカ・コーラ、ヤクルト、カルピス、救心製薬、森下仁丹なんかが有名です。
ちょっと違うかもしれないけど、ホーチキも製品名と社名が同じといえるかな。
社名を製品名と同じにするのって、なんだかすごく意気込みや自信を感じませんか。
オンリーワンな製品でナンバーワンな企業にするぞ!という経営者の熱い想いが伝わります。
チームスピリット(4397)とはどんな会社?
チームスピリットさんの事業内容はワンセグメント、業務管理ソフト「TeamSpirit」の開発・販売オンリーです。
なのでどんな会社か知るためには「TeamSpirit」を知らないといけません。
「TeamSpirit」は「働き方改革」でニーズが高まる
「TeamSpirit」は、勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなどといった、働く人が日々利用するシステムをひとつにまとめたサービスだそうです。
導入対象としては営業・販売の部署向けではなく、どちらかというと労務管理サイド寄りのソフトでしょうか。
労務管理の仕事って業務の中では地味な印象があります。営業や販売のように直接利益を上げるわけでもありませんしね。
どちらかといえば縁の下の力持ちで目立たない部署です、今までは・・。
でも、政府主導の「働き方改革」でにわかに注目されはじめました。
今後は「働き方改革」によって、大企業も中小企業も細やかな労働時間の管理が必須となってきます。
長時間労働の是正や、残業時間の見直し、有給休暇の取得状況の把握、労使間での36協定※の遵守などが必要となります。
(※さぶろくきょうてい:労働基準法36条に基づく労使協定、時間外労働に関した労使間での決めごと。これからニュースになることが増えるであろうキーワードです。)
「勤怠管理」や「就業管理」なんかはちょっと考えただけでも煩雑な処理だと分かります。ひとりひとりの日々の時間を管理するのですから面倒くさいです。
そもそも業務管理ソフトのコンセプトは、業務に関連するもろもろの面倒な処理をソフトで簡単にやってしまおうというものです。
なので「勤怠管理」や「就業管理」こそ業務管理ソフトにやらせるべき仕事なんじゃないでしょうか。チームスピリットさん、目のつけどころがいいですねぇ~。
「TeamSpirit」で「働き方改革」が加速される
従来の「勤怠管理」や「就業管理」を行うソフトは、会計ソフトや給与計算ソフトのオプション的なもので、決算処理の一部という位置づけであることが多かったようです。
得られた情報は給与計算なんかに利用されるだけで、他で活用されることはありませんでした。もったいないですねぇ。
「TeamSpirit」が優れているのは、「勤怠管理・就業管理」を「工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNS」といった機能と結びつけ、働く人の活動をリアルタイムでデータベース化できるところです。
社員の活動をリアルタイムでデータベース化することは、「個々の従業員の働き方」という経営分析の最重要要素をビッグデータとして収集できるということです。
今まで人事部や経理部の中だけにとどまっていたこれらの情報をマネジメントに活用できるということなんです。
例えば、生産性の高い社員の行動を分析して、他の社員へのコーチングに利用したり、勤怠管理を工数管理や経費管理と照合させることで原価計算の精度を高めたり・・・なんてことに活用するといったことができそうですね。
SaaSなので提供する側も利用する側も楽チン
「TeamSpirit」はクラウドベースで提供されます。実際に操作する端末側にはソフトのインストールが必要ありません。
こういうクラウドベースで動作するソフトの仕組み、SaaS(サース)というやつですね。
SaaSというのは「Software as a Service」の略です。直訳すると「提供されるソフト」、インターネット経由で必要な機能だけを提供してもらって使用する、というようなイメージでしょうか。
分かりやすい例でいうと、web上で動作しているGmailやグーグルカレンダーなんかがSaaSです。
メリットは導入・メンテナンスが楽ということです。インターネット経由でメンテナンスやバージョンアップが一斉に簡単に行なえます。これは提供する側も使う側のどちらにも共通するメリットです。
ソフトはマルチテナント・シングルソースコードということです。聞き慣れない言葉ですが、全利用者が共通のソースコードで作られた1種類のソフトを使用しているということです。
これだと開発に関わる負担が大幅に削減できますね。
チームスピリット側にとって、SaaSという仕組みはコスト的に非常にメリットが大きいです。
サブスクリプション契約なので安定的収益が見込める
「TeamSpirit」の販売方式はサブスクリプション契約です。
サブスクリプション、英語の意味的には「定期購読」や「年間購読」のことを言います。
ソフトの販売方式でのサブスクリプションとは買い切りではなく一定期間の利用に対して「使用料」を払う方式のこと。
要するに「利用する権利」を購入するという契約です。
最近のソフトはサブスクリプションのものが増えてます。
マイクロソフトのオフィスも買い切りのパッケージ版だけでなく「サブスクリプション契約=定期契約」のOffice365があります。
アドビ社のフォトショップやイラストレータなんかもサブスクリプション契約です。
サブスクリプションは売る側にとってはおいしい契約方式です。
「定期契約」なので新規契約数を解約数が上回らない限りキャッシュが前年度を超えて生まれ続けます。
なのでサブスクリプションというやつは安定的な収益が継続的に見込めるビジネスモデルなんです。
下の表は「TeamSpirit」のライセンスの増加数です。
契約ライセンス数(人) | 契約社数(社) | |
平成24年8月 | 2,811 | 34 |
平成25年8月 | 11,736 | 116 |
平成26年8月 | 23,691 | 250 |
平成27年8月 | 46,335 | 423 |
平成28年8月 | 71,593 | 616 |
平成29年8月 | 98,900 | 795 |
平成30年5月 | 129,944 | 932 |
確実に増えていってます。
チームスピリットさん、現状は赤字なんですが来期には黒字化が確実ということです。
契約ライセンス数が損益分岐点を超えたということでしょう。
なので来期以降は黒字基調が継続することが予測されますね。
「TeamSpirit」にはオプションとして、プロジェクト原価管理を行う「Leaders」というソフトがあります。
人事情報管理の「HR」やマイナンバー管理の「マイナンバーエンジン」といったオプションソフトも用意されています。
これら機能強化させるオプションを追加契約してもらうことによって、さらに利益を積みあげようということですね。
セールスフォースプラットフォームで勝ち馬に乗る
「TeamSpirit」はセールスフォース(Salesforce)プラットフォームで開発されています。
これ、すごく重要です。
今回この記事を書くにあたってチームスピリットのことを調べた中で、一番の収穫はセールスフォースという会社を知ったこと。
不勉強で知らなかったんですがセールスフォースという会社、すごい企業です。
クラウドベースのCRM(顧客管理)やSFA(営業支援)の業務管理ソフトを提供している企業です。CRMのマーケットシェアでは18.1%と世界第1位です(2016年)。ちなみに2位のオラクルが9.4%のシェアなのでダブルスコアの差で1位です。
セールスフォースさんは1999年3月に設立されました。日本法人は2000年4月に設立されてます。本社は米国カリフォルニア州です。
2018年度通期の売上高は前年比25%増の104億8000万ドル、2019年度通期の売上目標は126億~126億5000万ドルだそうです。
創業以来驚異的な成長率で売上を伸ばしてます。20年も経たずに100億ドル(1兆1千億円)突破ですよ~。
売上高100億ドル超えてもいまだに前年比25%増で成長してます!
まさにCRM界、SaaS界の巨人です!どこまで大きくなるねん!
セールスフォースのCRM、世界では15万社以上(2016年)、日本では5,000社以上(2012年)に導入されているとのこと。
セールスフォースさんの提供する業務管理ソフトは「営業部」サイド、チームスピリットさんの提供する業務管理ソフトは「人事部」サイドといえます。うまく棲み分けのバランスが取れてます。
もちろんセールスフォースさんの製品を導入している企業の方が多いです。
実際、チームスピリットさんのホームページで導入事例を見てみると、「すでにセールスフォースのCRMを導入済みだったので・・・」という企業が結構ありました。
チームスピリットもセールスフォースも共通の開発環境なので操作性やインターフェースに親和性があるはずです。
セールスフォースの導入企業が「TeamSpirit」を導入しやすいというのが、もしかしたら「TeamSpirit」の一番の強みと言えるんじゃないでしょうか。
CRMでは圧倒的な勝利者のセールスフォースさんの勢いを利用できる、まさに「勝ち馬に乗る」というやつですね。
チームスピリットはセールスフォースと現時点では日本唯一の「AppExchange Premier Partner」(詳細は不明ですが、招待制の特別なパートナーだそうです。)であり、資本提携もしているようです。
チームスピリットさんはセールスフォースさんと仲良しなんです。
セールスフォースの優良パートナーであるチームスピリットには明るい未来しか見えません。
チームスピリット(4397)の初値予想
チームスピリット(4397)さん、仮条件は1,000~1,200円です。
初値予想は2,740円でどうですか。根拠はありません。いつものカンです。ヒラメキなんです。
IPOの初値は市場参加者の冷静と情熱の間で決まるんです。わたしの冷静と情熱の均衡点は2,740円なんです。
株価2,740円だと時価総額200億円になります。
次期に黒字化が見込めますが現状は連続赤字です。まあ、こんな所じゃないでしょうかねぇ。
抽選参加申し込み証券会社
主幹事の野村証券さんには当然申し込み済みです。
主幹事以外ではSMBC日興証券とSBI証券さんにも申し込みましたよ。
チームスピリット(4397)さんの上場予定日は8月22日ですね。
お盆休み明けの給料日前なので、金欠気味でちょうどお小遣いが欲しいタイミング。
ぜったい当てたいです!
どうか当たりますように~。
(上記は筆者がネットで調べて理解した範囲に基づいた私見を含むものです。
業務ソフト「TeamSpirit」の実際の機能や動作環境など詳しくはチームスピリット社へお問い合わせください。
投資は自己判断でお願いいたします。)