この記事はこんな人におすすめ
- 第二種電気工事士の技能試験を受ける人
- 技能試験の雰囲気を知りたい人
- 技能試験の難易度を知りたい人
第2種電気工事士(通称:2電工)の【技能試験】を受験してきました。
試験当日の受験会場の雰囲気や技能試験の難易度、注意点、全体的な流れなどを紹介します。
技能試験の対策として、実際の試験の雰囲気や流れを事前に知っておくことは大切です。
試験会場の様子と雰囲気
第2種電気工事士の試験は筆記と技能の2段階になっています。
筆記試験を受験して合格すれば、実技のテストである技能試験を受けることができます。
つまり、
「筆記試験」に合格→「技能試験」に合格→「第2種電気工事士」合格
ということになります。
技能試験の会場はマイドームおおさか
第2種電気工事士の試験は年に2回、上期試験と下期試験が実施されます。
ワタシが受験したのは下期試験です。
試験日は2020年12月13日(日)、試験会場はマイドームおおさかでした。
マイドームおおさかは、見本市や展示会などが催されるとっても立派な展示場施設です。
10月に受験した【筆記試験】もこの試験会場でした。
↓【筆記試験】のようすはこちらの記事をご覧ください。
第二種電気工事士【筆記】受験記、難しいけど「やさしい」試験です
第2種電気工事士の筆記試験を受験したときの体験記。会場のマイドームおおさかの様子や試験時間の注意点、難易度に関する感想です。
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試験会場には10:35に到着。
建物入り口にてコロナ対策のための検温があります。
次に手指のアルコール消毒が必要でした。
試験室はとても大きい
玄関ホールでは、受験する部屋が記された用紙が配布されていました。
受験番号ごとの試験室の振り分けが示されているA5サイズの小さな紙です。
受験番号から推測すると、この日のマイドームおおさかでの受験者数は約1,600人のようです。
試験室は1階から3階までそれぞれにひとつづつ、3つの部屋に分かれています。
部屋と言っても展示会用のスペースなのですごく広いです。正確には部屋ではなく展示ホールですね。
わたしは2階の展示ホールでした。
2階、3階へはエスカレータで上がっていきます。
試験室での座席配置は下記のようになっています。
この座席表を見ると狭いホールだなと思うかもしれませんが、これは全体の一部です(ホール全体はこの座席表の10倍以上あります)。
座席の広さは余裕あり、でも作業スペースは広くない
座席表にあるように、長机に1人または2人が交互に着席します。
事前にネットで調べた際に、技能試験は「机が狭い、小さい、隣と近い」などの情報がありましたが、マイドームおおさかではそんなことはなかったですよ。
長机は会議室などで使う一般的な2人がけ用のものです。
ワタシは2人席でしたが隣との距離は十分でした。
ただし、作業スペースは机にセットされているA3サイズぐらいの厚紙(保護板)の上になります。
とはいえ、あくまで組み立て用のスペースが厚紙の上になるだけです。
道具類や材料類は厚紙の両側や前後のスペースに置くことができるので、窮屈で作業できないということはありませんでした。
試験対策として練習の時からA3の厚紙の上で作業をするようにしていたので、本番では狭さは全く感じませんでした。
会場によっては小学校の机のような小さな机もあるそうなので、練習の時から狭いスペースに慣れておくといいかもしれませんね。
試験会場の雰囲気
試験開始前の室内は道具類をテーブルに並べる音がするくらいで、静かな雰囲気です。
ほどよい緊張感に包まれています。
ピリピリする緊張感ではありませんのでご安心を。
技能試験は競争試験ではありません。与えられた課題を完成すれば誰もが合格となる試験です。
他の受験生が「敵」ではないので、ピリピリする雰囲気ではないのでしょう。
技能試験の受験生のようす
受験室内を見回すといろんな人がいます(ワタシの席は全体を見渡すことができる最後尾でした)。
少数派としては定年後のような年配の人、若い女性、おばちゃん、すでに職人さんみたいな人。
圧倒的に多いのが20代の若者、専門学校生風の人たちです。
若い男性が多いのですが、それでも老若男女、幅広い受験生がいるのが第二種電気工事士の特徴に感じました。
これは2電工が仕事や就職に役立つ資格として幅広い層に支持されている証拠ではないでしょうか。
少数派ですが制服姿の高校生もいましたよ。工業高校の生徒さんでしょうか。
ワタシの隣も高校生でした。
場慣れしていないのかちょっと緊張している感じ。少し心配になりました。
心のなかで「落ち着いてがんばれ〜」とエールをおくります。
技能試験の流れと感想
次に技能試験の流れを紹介します。
大まかなタイムスケジュールは下記のとおりでした。
- 10:50〜:注意事項の説明開始
- 11:18〜11:28:材料類の確認
- 11:30:技能試験開始
- 12:10:技能試験終了
遅刻すると受験できない
10:50には受験生全員が着席となり、受験上の注意点の説明がはじまります。
5分後の10:55からは入室禁止となります。
10:55以降の入室は禁止となり、遅れると受験できません。
この日は見える範囲では遅刻者はいませんでしたよ。
欠席者もゼロのようでした。
道具はいつ準備するのか?
注意事項の説明がはじまると、試験と関係のないものはカバンに入れて足元に置くように指示があります。
携帯電話は電源を切らないといけません。
ところで、道具類を机に出すのはいつなのか気になりませんか?
試験開始前に道具類を机に出しておいていいのか、試験がスタートしてから出さないといけないのか・・・。
ワタシも試験がはじまるまでに道具を出してもいいのかすごく気になっていましたが、
道具類は試験開始前に机の上に出して並べておいても大丈夫でした。
だいたい皆さん、早めに着席してガチャガチャと道具類を準備し始めます。
なので、ワタシも着席してすぐ、道具を出して作業しやすいように並べておきました。
ちなみにワタシの道具はホーザンのDK-28です。
ホーザン(HOZAN) 電気工事士技能試験工具セット 基本工具+P-958VVFストリッパー DK-28 特典ハンドブック付
受験生の中には腰ベルトを持参の人も見かけました。
これは多分、机が狭くて道具を置くスペースがないときの対策だと思います。
道具類を腰ベルトに装着して受験するのはオッケーだそうです(技能試験は座って組み立てるので逆にやりにくそうですが・・・)。
注意事項の説明
事前に注意事項を記した印刷物が配布されています(「試験前に読んでください」とあります)。
だいたいそこに書かれていることが注意事項として説明されます。
いろんな資格試験を受けているので、注意事項はあまり真剣に聞きません。
特に重要なのは次の2点でしょうか。
- 試験時間は40分間
- 途中退出はできない
ひととおり説明が終わると受験者カードというものが配布されます。
受験者カードはマークシート式になっていて、受験番号、氏名、受験場所を記載します。
HBの鉛筆またはシャープペンシルが必要です。
筆記用具は忘れないようにしましょう。
次に問題用紙が配布されます。
問題用紙は試験開始まで開くことはできません。
でも問題用紙の表面には使用材料の一覧が記載されているので、どの候補問題かおおよその見当がつきます。
タイムスイッチとあるので3番かな。
材料の確認
さらに、材料・部品類の入った25x15cm位の大きさの箱も配布されます。
箱が配り終わると、確認作業があります。
配布された材料類に不足や不備がある場合はこの時点で申告しないといけません。
問題用紙の材料一覧と照らし合わせて確認を行います。
この時、後で作業しやすいようにケーブルをしっかり伸ばしておきましょう。
布尺でケーブルの長さを測ります。
ついでに保護板にマスキングテープで布尺を貼り付けておきました(練習の時そうしていたので)。
コネクタ類はビニールの小袋に入っているので中身を確認して、封だけ開けときました。
バラバラにならないように袋に入れたままにしておきます。
材料類は箱から出してもいいみたいですが、きっちり収まってる箱なので、そのまま箱に入れておきました。
確認するついでにできる範囲で準備作業もしておくと、組立作業の時間短縮になると思います。
ちなみに確認作業では、メモするとかは禁止ですがチェックマークを入れるのはオッケーとのことでした。
材料以外に屑入れ用のビニール袋と荷札のような受験番号札も配られます。
受験番号札は受験番号と氏名を書いて完成した作品に取り付ける用です。
技能試験の流れ(体験談)
11:30から試験開始です。
試験時間は12:10までの40分間。
パチン、パチンといきなりケーブルを切りはじめるツワモノもいました。
ワタシは、まず、屑入れの袋を持参したマスキングテープでテーブルの手前に貼り付けました。
こうすると屑を捨てやすいので散らかりません。
ケーブル屑などを片付けながら組み立てると作業がはかどるんですよね。
長いVVF1.6ケーブルは邪魔にならないように膝の上に置きます。
間違いも防止できるのでおすすめの方法です。
複線図を問題用紙の空きスペースに描きます。
しっかり練習しているので、複線図はどの問題も間違えることなく描くことができます。
複線図を描くことのできる空きスペースは広くありません。
練習の時から小さく描くようにしていたので不便はありませんでした。
候補問題はひと通り練習しています。
単位作業も何度も練習しているのでスムースに作業は進みます。
途中で顔写真の確認がありました。
・・・とどこおりなく組み立て終了。
時計を見たら33分経過していました。残り時間は7分あります。
出来上がった作品の形を整え、念の為に確認をします。
- 配線の間違い
- リングスリーブの刻印ミス
- リングスリーブからはみ出た電線の先端処理
- 接地側の白線の間違いがないか
- 電線の抜けはないか
すべてオッケーです。
確認が終わっても5分近く時間が余ったので、細かいクズ捨て、道具の片付けをしました。
最後に受験番号札を作品に取り付けます。
合格を確信し、終了時間となりました。
隣の高校生は時間内に完成しなかったみたい。すごく悔しがってます、次頑張れー。
道具をカバンにしまって、机の上を片付けます。
退出票をもらって順番に部屋から退出となります。
技能試験の難易度
今回の技能試験、全国平均の合格率は72.9%だったようです。
例年より10ポイント近くも高い合格率です。
↓受験者数、合格率、各地の試験会場などの情報はこちら((一財)電気技術者試験センター公式HP)
難易度に関しては、筆記試験のほうが難しいという意見、技能試験のほうが難しいという意見、両方あるようですが・・・、
ワタシ的には【技能試験】の方が簡単に感じました。
【技能試験】のほうが簡単だと感じた理由は下記の通り。
- 筆記で複線図の勉強をある程度している
- 技能試験は練習すれば必ずできるようになる
- 技能試験は覚えることが少ない(あまり頭を使わない)
- 上達が実感できるので練習が楽しい
候補問題の練習をするとわかるのですが、複線図が描けて単位作業ができるようになればどの問題もクリアすることができます。
ただし候補問題によって難しさに差があります。
作業工程が多い問題、結線作業が多い問題は手間がかかるので時間切れとなる可能性があります。
なので、手間のかかる問題が難しいと言えるでしょう。
ちなみにワタシが今回受験した候補問題3番は難易度的には簡単な方だと思います。
まとめ
合格を確信していましたが、自己採点はできないので合格発表があるまでは絶対ではありません。
試験終了からおおよそ1ヶ月後の1月末に合格通知が届きました。
本来ならば上期試験を受験するつもりで2月頃から準備を始めていました。
コロナのために上期試験は中止となり自動的にスライドした下期試験でチャレンジして無事合格。
途中でブランクはありましたが、勉強開始から1年近く掛かったことになるので喜びもひとしおです。
なんだかホッとしたというのが正直な気持ちです。
技能試験の対策は1ヶ月間、とにかく何度も手を動かして練習することが大切。
本番の環境に近い状態でやることもポイントのひとつだと思います。
これから2電工を受験するあなたに本記事が参考になれば嬉しいです。
長々と読んでいただきありがとうございました。
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