この記事はこんな人におすすめ
- 量子論に興味がある人
- 簡単な入門書を探している人
あなたは、不思議な量子の世界のこと知ってますか?
実は、量子論が扱うミクロの世界はわたしたちの常識とはあまりにもかけ離れた世界なんです。
例えば、量子は粒でもあり波でもあるとか、2つの場所に同時に存在できるとか・・・不思議な性質ばかりです。
なので、当然のように生まれてくる疑問があります。
「量子の世界って、一体どうなってんの?」という疑問です。
そんな疑問の答えが知りたくて、量子論の入門書を何冊か読んでみました。
もちろん難しい数式が出てこないようなやつ、まったくの素人でも楽しく読み進められるものばかりをピックアップ。
物理も数学も超苦手な文系でもわかる量子論の入門本を紹介します。
量子論を知りたいド文系のための入門書4冊
「量子論」を楽しむ本―ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる!(PHP文庫)
「量子論」を楽しむ本 ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる! (PHP文庫)
一番オススメしたいのは『「量子論」を楽しむ本』です。
この本は、量子論が知りたい初心者のための超定番本です。
易しい文章と図で不可思議な量子論の世界を解説してくれます。
全編をとおして、気楽に楽しめる読み物風の作りになっています。
アインシュタインとボーア(量子論の超大物)の対談があったり、シュレディンガーの猫(量子論では超有名なニャンコ)が進行役だったり・・・
Amazonでのベストセラー本です(量子物理学カテゴリー2位、理論物理学カテゴリー3位)。
ちなみにAmazonKindleUnlimitedなら無料で読めますよ。(2022年10月6日現在)
KindleUnlimited読み放題30日間無料体験はこちら
量子論(ニュートン別冊)
2番目におすすめするのは『量子論(ニュートン別冊)』、フルカラーの大型本です(A4サイズ)。
ポイントをおさえた理解しやすい文章と全編にわたるカラーイラストで量子論の世界を解説してくれます。
量子論の歴史、量子論の基本、量子論で何が出来るのか、そして量子コンピュータの話題まで掲載されていて、とても充実した内容となっています。
さすがイラスト満載科学雑誌の老舗、Newtonのムック本。
Amazonの商品紹介欄で、「本書は量子論入門の決定版です」と自画自賛しているだけのことはあります。
13歳からの量子論のきほん
Newtonからは、『13歳からの量子論のきほん 』というさらに簡単な量子論の本も出ています。
これもAmazonでのベストセラーです(量子物理学カテゴリー1位)。
ページ数は64ページなので、3冊のうちで一番サクッと読み終わります。
「中学生以上であればわかるように書かれている」ので、すごくやさしい文章です。文字数もとっても少ない。
全編オールカラーのイラストなので、量子論の世界を視覚的にイメージしながら理解していくことが出来ます。
ただし、この本は『量子論(ニュートン別冊)』から重要ポイントのみ抜粋して簡単にした内容なのでご注意を。
『13歳からの量子論のきほん』→『量子論』の順番で購入するのはいいんですが、『量子論』→『13歳からの量子論のきほん』の順で買ってしまうと「同じイラストばっかりやん!」と損した気分になります。
ワタシは購入する順番を間違えて損した気分になりました。
(損した気分をやわらげるため、小6の次女にも読ませてみました。「ヤバいぐらいわからん!」だそうです。)
ねこ耳少女の量子論~萌える最新物理学~
マンガで分かる量子論の本もあります。
2009年出版なので、ちょっと古めの記述がありますが内容的にはまったく問題ありません。
(もう間もなく、ヒッグス粒子が発見されるかも・・・といような記述なので。ちなみに長らく未発見だった最後の素粒子、ヒッグス粒子は2012年7月4日に発見されました。)
萌え系の可愛いねこ耳の女の子が量子について解説してくれます。
ラブコメっぽいマンガのストーリの後に、文章で量子論が簡単に解説されます。
サクッと20~30分で読めるのですが、量子論のポイントを的確にまとめた内容ですよ。
位置づけ的には入門書を読む前に読む本といったところ。
楽しい漫画を読むだけで、量子の世界のイメージが短時間でつかめます。
上記の入門書を読む前にまずこの本からトライしてみるのがいいでしょう。
姉妹編として同じ主人公の『ねこ耳少女の 相対性理論と超ひも理論』もあります。
こちらもKindleUnlimitedで0円読書の対象本です。(2022年10月6日現在)
興味があれば読み放題30日間無料体験中に読んでみるのもいいかもですね。
量子論の基本原理はとっても不思議
量子論で扱うミクロのサイズは1000万分の1ミリ以下の大きさです。砂粒や細胞より小さい原子のスケール。
そんな小さな世界の量子は奇妙な性質を持っています。
量子の世界は常識が通じない不思議な世界なんです。
どんな風に不可思議なのかは、実際に入門書を読んでもらえればたっぷりわかると思います。
ほんの少しだけ、量子のおもしろさを紹介します。
量子の不思議な性質
- 波と量子の二面性:ミクロな物質は、粒子としての性質と波としての性質をあわせもっている
- 状態の重ね合わせ:1つの量子に複数の状態(位置や運動量など)を同時に共存させることができる
- トンネル効果:ミクロな粒子は、本当なら通り抜けられないはずの壁をすり抜けることができる
その他にも、どんなに離れていてもお互いに繋がりあった状態になる「量子もつれ」だとか、位置と運動量を同時に測定できない「不確定性原理」だとか、ハテナなことばかりなんです。
そして極めつけは、「量子論の多世界解釈」。
量子が観測されるたびに世界が枝分かれしていくそうなんですが・・・「これ考えた人頭おかしいんちゃうの!」と思うくらい突拍子もない理論です。
そんな多世界解釈のことが詳しく知りたくて、『量子力学が語る世界像』を読んでみました。
数式はほとんど出ないとのレビューだったので読んだんですが、初心者にはちょっと難しかったです。
著者の和田純夫氏は物理学者です。この本からは、「多世界解釈」を純粋に科学的視点から支持しているのがすごく伝わってきます。
凡人のワタシには信じがたいような考えですが、学問的・数学的な視点から見れば整合性のある考えなんでしょうか?
量子論、おそるべし!奥が深すぎます。
おもしろおすすめ関連本と映画
量子論の入門本を読んで、さらにワクワクしたい!と好奇心が刺激された人のために関連本と映画も紹介しておきます。
関連本:天才vs天才!アインシュタインとボーアの知的対決に興奮
量子革命(新潮文庫)
量子論をめぐる科学者たちの物語です。
アインシュタインは「相対性理論」が有名ですが、実は量子論の元となった「光電効果」というものを提唱しました。(この「光電効果」に対してノーベル賞が授与された)
量子論の完成に貢献したアインシュタインですが、最終的には量子論に対して懐疑的な目を向けるようになります。
そして、量子論の親玉ニールス・ボーアと激論を戦わせます。
量子論が多くの科学者たちにより発展していく様子が小説仕立てで展開していき、ぐいぐいストーリーに引き込まれました。
関連映画:マーベルコミックの漫画的量子世界を体験!
アントマン
マーベルコミック原作の映画で量子世界がキーワードになっています。
小難しいこと抜きに何にも考えずにシンプルに楽しめます。
特殊なスーツを装着して、蟻のように小さくなることができるスーパーヒーローのお話。
小さくなってるのになぜかスーパーパワーで人間を殴り飛ばしたりできます。
蟻のサイズよりさらにさらに小さくなって、原子サイズからさらにもっと小さくなります。
なんと量子論の世界までミクロサイズになります。
「体重80kg以上ある人間が原子サイズまでになったらすごい質量やん!」とか
「量子世界で人間はどうやって視力を維持すんの!」とか
ツッコミどころ満載なんですが、原作が漫画だから許せてしまいます。
アントマンが迷い込んだ量子世界の様子が不思議で不気味でゾクゾクします。
科学の最先端のそのまた先を見せてくれるような映像に見入ってしまいました。
(『インターステラー』や子供の頃に観た『ブラックホール』(1980年日本公開)もそんな科学的不可思議さを感じさせてくれる映画だったなあ・・・)
まとめ
量子論なんて、わたし達の生活にはあまり関係がないような気がしますよね。
でも実は、スマホやコンピュータの基本部品の半導体は、量子論が無ければ誕生していません。
量子論がなければ現代社会は成り立たないんです。
量子論の描くミクロの世界は摩訶不思議で奇妙で、そして何より魅力的。
興味を持ったあなた、ぜひこの記事で紹介した入門書を読んでみてください。
好奇心が刺激されて、ワクワクしますよ~!
(不思議過ぎて、頭がクラクラすることもあります。)
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