管理業務主任者(略称:管業)の資格を独学で受験しました。
勉強期間は1ヶ月ほど、過去問の頻出問題だけやってのチャレンジです。
結果は残念ながら不合格(自己採点31点(合格点は35点))。
なぜ1カ月間しか勉強しなかったかというと、宅建士受験後からのスタートだったから。
・・・残念ながら宅建士も不合格でした(自己採点で32点(合格点は34点))。
宅建受験者が引き続き勉強して管理業務主任者を受験したてみた経験から、本記事では下記について紹介させていただきます。
- 宅建士とダブル合格は可能かどうか
- ダブル合格のためのポイント
- 管理業務主任者の難易度(宅建士との比較)
宅建、管業ともに不合格となったわけで、偉そうなことを言える立場ではありませんが・・・。
凡人レベルの意見としてごらんください。
宅建士と管理業務主任者のダブル受験を検討しているあなたは参考にどうぞ。
【結論】宅建士とのダブル合格は可能?
ダブル合格は可能です!(条件あり)
忙しいあなたのために結論から。
宅建士と管理業務主任者を同年度に受験して、どちらも合格することは可能です。
ただし、
ダブル合格したいなら宅建士をメインに勉強するのが条件
というのが結論です。
ダブル合格できる人、できない人
実際に勉強&受験してみた経験から感じた、ダブル受験してどちらも合格できる人と合格できない人は次の通り。
ダブル合格できる人
- 宅建士をメインに勉強した人
- 宅建士試験終了後すぐに管理業務主任者の勉強を開始する人
ダブル合格できない人
- 管理業務主任者をメインで受験。その前に宅建士も腕試しでチャレンジする人
- 宅建士をメインで受験。だけど、なめてかかっていたので勉強時間不足、なのに管理業務主任者も受ける人(←ワタシです)
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ダブル合格のためのポイント
宅建士と管理業務主任者、ダブル合格するために重要なポイントは2つです。
- 宅建士をメインで学習する
- 余裕を持ったスケジュールで学習を開始する
この2つに尽きると思います。
宅建士をメインで勉強するとダブル合格しやすい
宅建士をメインで勉強したほうがダブル合格する可能性は格段に上がります。
理由は3つ。
- 宅建士のほうが難しい
- 宅建士の試験日が先
- 重複する学習内容が多い
順に説明させていただきますね。
宅建士のほうが難しい
宅建士と管理業務主任者の難易度を比較すると、宅建士のほうが難しいです。
受験してみた実感ですが、宅建士の問題のほうが細かい部分まで問われたり引っ掛け問題が多かったりと、難易度が高いです。
合格率からも宅建士の難易度が高いのが分かります。
資格名 | 合格率 |
宅地建物取引士 | 15〜18% |
管理業務主任者 | 22~24% |
難易度に差がある場合、どちらも合格するためには難しい方に焦点を合わせて勉強を進めるのは当然。
大学入試に例えるなら、宅建士が本命の国立大学で管業は滑り止めの私立大といったところでしょうか。
受験レベルの高い方に合わせて勉強しないと絶対に両方合格はできませんよね。
なので宅建士をメインに勉強しないと合格が遠ざかります。
宅建士の試験日が先
日程的には宅建士の試験日が先になります。
具体的な試験スケジュールは下記の通り。
(管理業務主任者とダブル受験されることの多いマンション管理士も併記)
資格名 | 試験日 |
宅地建物取引士 | 10月中旬の日曜日 |
マンション管理士 | 11月下旬の日曜日 |
管理業務主任者 | 12月初旬の日曜日 |
宅建士を受験した後、管理業務主任者の受験日まで約1ヶ月半の時間があります。
先に受験する宅建士をメインに勉強したほうが効率的かつ勉強を進めやすいですよね。
なので、まずは宅建士の合格を目指して勉強をするのがダブル合格への近道といえるでしょう。
重複する学習内容が多い
宅建士と管理業務主任者の出題科目には重複するものが多くあります。
それぞれの出題科目は下記となります。
赤字が重複する科目
宅地建物取引士の学習範囲 | |
出題科目 | 細目 |
権利関係 | 民法、借地借家法、区分所有法、不動産登記法など |
法令上の制限 | 国土利用計画法、都市計画法、建築基準法、農地法など |
宅建業法 | 重要事項の説明、37条書面など |
税・その他の法令 | 税金 |
管理業務主任者の学習範囲 | |
出題科目 | 細目 |
法令 | 民法、区分所有法、標準管理規約、マンション管理適正化法、建替え円滑化法、宅建業法など |
管理実務 | 標準管理委託契約書等、会計など |
建築・設備 | 建築・設備、建築基準法、マンションの維持保全など |
その他 | 税金 |
重複する主な出題科目をピックアップすると次のとおりとなります。
- 民法
- 借地借家法
- 区分所有法
- 不動産登記法
- 建築基準法
- 税金
これらの重複する科目を比較した場合、宅建士の方が学習範囲が広く難易度が高い傾向にあります。
ただし、「区分所有法」だけは管理業務主任者の方が難しいです(・・・「区分所有法」はマンションに関する法律なので当然といえば当然ですが)。
(区分所有法は宅建士では1問程度しか出題されませんが、管理業務主任者では7~10問ほど出題)
ということで同じ科目でも学習範囲の広い宅建士をメインに勉強しましょう。
管理業務主任者に重点をおいて学習を進めると、重複科目であっても宅建士の問題には対応できなくなりますので。
余裕を持ったスケジュールが大切
「宅建士より管理業務主任者の方が難易度が低い」と先に言いましたが、どちらもすごく難しいです。
自分が落ちた原因はわかっています。
どんな試験でも不合格になる根本的な原因はただひとつ・・・
当たり前のことですが「勉強不足=時間不足」が原因となります。
特に社会人は自由になる時間が少ないので時間不足になりがち。
時間不足とならないためには余裕を持ったスケジュールで勉強を開始することが大切です。
勉強時間について
合格するためにどれくらいの勉強時間が必要なのかググって調べてみると・・・
宅建士の勉強時間、200~300時間は必要なようです。
管理業務主任者のほうも200~300時間は必要と言われています。
・・・と絶望しそうになりますが、重複する科目が多いので合計600時間とはなりませんのでご安心を。
宅建士とのダブル受験なら宅建士の200~300時間に管理業務主任者プラス100時間ほどが目安です。
ということで、ダブル合格のためには300~400時間の確保を目標にしましょう。
勉強はいつから始めるのがいいのか
ダブル合格を狙うなら、次のような流れが理想です。
宅建士を合格レベルにしてから→管理業務主任者を勉強する
理想的には宅建士の勉強は試験1ヶ月前の9月頃までに合格ラインに達したいところ。
そして、宅建士の仕上げをやりつつ管理業務主任者の勉強も並行して進めるのが理想でしょう。
1ヶ月にできる勉強時間から開始時期を逆算してみると、
- 1ヶ月30時間の勉強なら13ヶ月前からの開始
- 1ヶ月50時間の勉強なら8ヶ月前からの開始
いずれにせよ、できるだけ早めに勉強を開始することが大切。
宅建士の新しい参考書類が11月末頃から発売されるので、できれば12月に勉強をスタートするのが理想です。
とは言え、現実的になかなかスタートできなかったりしますよね。
3ヶ月で100時間の勉強時間で宅建士を受験し、2点足らずに不合格になった私の経験から・・・
社会人なら遅くとも4月には勉強を開始しておかないと絶対に間にあわないぞ!
というのが率直な意見です。
管理業務主任者の難易度(受験した感想)
管理業務主任者の問題はどれくらい難しいのか、実際に受験してみた感想です。
同年に宅建士も受験しているので、比較も含めて紹介いたします。
試験問題に関して
管理業務主任者の試験問題、全体的な印象は下記となります。
- 宅建士のような意地悪なひっかけはない
- 宅建士と比べると難易度は低い
- 「いくつあるか」問題が多い
「正しいのは(誤っているのは)いくつか」と問われた場合、4つの選択肢全てを正しく正誤判定しないといけませんよね(管理業務主任者は宅建士と同じ4者択一)。
「いくつあるか」問題が多めなのからもわかる通り、「うろ覚えでは正解が難しい」という出題傾向になります。
ということで、管理業務主任者の試験問題に関する結論。
管理業務主任者は正確な知識がないと解けない問題が多い。
学習内容と対策
実際に勉強してみた管理業務主任者の学習内容に関しての感想です。
- 設備系が覚える内容が細かく大変
- 区分所有法を重点的に勉強する必要がある
- 会計は簿記3級取得者なら楽勝
建築・設備系
設備系は宅建士にはない科目なので大変です。
問題数も10問近く出題されます。
範囲も広く細かいので、深追いしすぎると他の科目が時間不足となる恐れがありそうです。
対策としては、「参考書を必死に覚えるより、過去問を繰り返しながら覚える」のがいいでしょう。
法律系
法律系に関しては民法が出題されますが、宅建士でしっかり勉強しておけば対応できます。
区分所有法は宅建士より細かく出題されるので、重点的にやる必要がありそうです。
区分所有法の対策としてはやっぱり過去問をやるしかないかと思います。
会計
会計は簿記の知識があれば楽勝です。
(簿記3級取得済みなので全問正解でした)
逆に言うと簿記の知識がないと理解して解くのは難しいかと。
ただ、会計は出題パターンが限定的っぽいので、過去問を繰り返しやれば対応できそうですね。
過去問が大切
どの科目に関しても過去問を繰り返しやることで合格レベルに達することが可能です。
実際に私は頻出問題だけを1周しただけで31点のレベルまで達しています。
ということで学習対策に関する結論。
管理業務主任者は過去問を繰り返しやれば合格レベルに達することができる。
まとめ
宅地建物取引士と管理業務主任者をダブル受験してダブル合格するためのポイントをまとめます。
宅建士と管理業務主任者、同一年度にダブル合格するための秘訣は次の2点です。
- 宅建士をメインに勉強する
- 勉強はできるだけ早い時期にスタートする
宅建士も管業も難易度の高い資格ですが、宅建士からの管業という方向で効率的に勉強することで、ダブル合格は可能です。
勉強法に関しては過去問を繰り返しやるのがいいでしょう。
ダブル受験&ダブル合格したいというあなた、本記事を参考に頑張ってくださいね♪
(わたしも再チャレンジしてダブル合格を狙いますよ~!)