この記事はこんな人におすすめ
- FP3級の勉強をはじめる人
- FP3級は簡単だと思っている人
- FP3級の難易度を知りたい人
ファイナンシャルプランナー3級を受検しました。
結果は無事、一発合格。
独学でのチャレンジだったので、まず学習時間や勉強法をググって色々調べてみたんです。
すると、FP3級に関してこんな意見がチラホラと・・・
「FP3級は簡単、落ちる方が難しい」
「FP3級は試験直前に少し勉強するだけで合格できる」
そんな声に惑わされ、なめてかかっていました。
ところが、いざ勉強をはじめると簡単だなんて大きな間違いだと気づきました。
ファイナンシャルプランナー3級は難しいです。とっても難易度の高い資格です。
実際に受検してみると、試験内容もすごく難しいと感じました。
これから勉強を始めるなら、FP3級は簡単だという声に惑わされないようにしましょう。
難易度と合格率の関係、そして勉強方法を紹介します。
結論から言うと、FP3級はまじめに勉強しないと痛い目に合う資格ですよ~。
ファイナンシャルプランナー3級の合格率と難易度
FP3級の合格率はすごく高い
ファイナンシャルプランナー3級の合格率は高いです。
下の表は合格率の推移です。
試験実施日 | 合格率 |
2019年5月 | 63% |
2019年1月 | 66% |
2018年9月 | 70% |
2018年5月 | 77% |
2018年1月 | 75% |
2017年9月 | 77% |
※学科試験、実技試験「資産設計提案業務(日本FP協会)」、「個人資産相談業務(きんざい)」の合格率を合計して平均した数値となります。
試験実施日によって若干の上下はありますが、平均して70%前後という非常に高い合格率です。
資格試験で70%の合格率というのは、はっきりいってむちゃくちゃ高い数値です。
だいたいどんな資格でも、一定数量は全く勉強せずに受検する人、つまりは「受けさせられている人、合格する気のない人」が存在します。
明確に言えるわけではないのですが、FP3級でも「合格する気のない人」が2割くらいは存在すると思われます。
ということは、FP3級は「合格する気のある人」の9割が合格するということになります。
ファイナンシャルプランナー3級は、勉強したほとんどの人が合格する資格なんです。
なので、ファイナンシャルプランナー3級は難しくない、簡単だ、落ちたら恥ずかしいなどという声が多くあります。
この世間の声と普通に勉強すれば合格するという事実がかなりの曲者です。
不幸にも落ちてしまうと、「あいつはまじめに勉強しなかった」と不名誉なレッテルを貼られてしまうことになりますよ。
あなたの評判・評価に大きなダメージをこうむることに・・・
ということで実は、ファイナンシャルプランナー3級は、
合格率は高いけど難易度も高い、そしてなにより不合格となったときのダメージがバカでかい
非常に厄介な資格なんです。
FP3級は学習範囲の難易度も高い
合格しやすいと言われている資格ですが、実際に勉強してみた感想では・・・
ファイナンシャルプランナー3級の学習内容はかなり難しいと感じました。
理由は次の通り、
- 覚える分野が幅広い
- あちこちの分野に税制度が出てきて混乱する
- 同じような制度や数字が出てくるので頭の中で整理しきれない
ファイナンシャルプランナー3級は、学習する範囲が広いうえに、いろいろな制度が複雑でとにかく覚えにくいという特徴があります。
ファイナンシャルプランナー3級の難しさの要因
勉強をすすめるうちに、あなたもファイナンシャルプランナーの厄介さに気づくはず。
難しく感じる要因をまとめてみます。
FP3級は幅広い分野の学習が必要
ファイナンシャルプランナー3級、学習は広い範囲に渡ります。
大きく分けると次の6つの分野です。
FP3級の試験範囲
A ライフプランニングと資金計画、B リスク管理、C 金融資産運用、D タックスプランニング、E 不動産、F 相続・事業承継
「ん、意外と少ないな」と思ったら大間違い。
これらはあくまで大きな分類です。
↓さらにこんなに細目が沢山あるんです。(タブで表示が切り替わります)
試験科目 | 細目 |
A ライフプランニングと資金計画 | 1.ファイナンシャル・プランニングと倫理 2.ファイナンシャル・プランニングと関連法規 3.ライフプランニングの考え方・手法 4.社会保険 5.公的年金 6.企業年金・個人年金等 7.年金と税金 8.ライフプラン策定上の資金計画 9.ローンとカード 10.ライフプランニングと資金計画の最新の動向 |
B リスク管理 | 1.リスクマネジメント 2.保険制度全般 3.生命保険 4.損害保険 5.第三分野の保険 6.リスク管理と保険 7.リスク管理の最新の動向 |
試験科目 | 細目 |
C 金融資産運用 | 1.マーケット環境の理解 2.預貯金・金融類似商品等 3.投資信託 4.債券投資 5.株式投資 6.外貨建商品 7.保険商品 8.金融派生商品 9.ポートフォリオ運用 10.金融商品と税金 11.セーフティネット 12.関連法規 13.金融資産運用の最新の動向 |
D タックスプランニング | 1.わが国の税制 2.所得税の仕組み 3.各種所得の内容 4.損益通算 5.所得控除 6.税額控除 7.所得税の申告と納付 8.個人住民税 9.個人事業税 10.タックスプランニングの最新の動向 |
試験科目 | 細目 |
E 不動産 | 1.不動産の見方 2.不動産の取引 3.不動産に関する法令上の規制 4.不動産の取得・保有に係る税金 5.不動産の譲渡に係る税金 6.不動産の賃貸 7.不動産の有効活用 8.不動産の証券化 9.不動産の最新の動向 |
F 相続・事業承継 | 1.贈与と法律 2.贈与と税金 3.相続と法律 4.相続と税金 5.相続財産の評価(不動産以外) 6.相続財産の評価(不動産) 7.不動産の相続対策 8.相続と保険の活用 9.相続・事業承継の最新の動向 |
<出典:日本FP協会、3級試験範囲>
たくさんの細目を見てどう思いますか?
半分以上が勉強する内容のイメージさえ浮かんでこないのでないでしょうか。
不動産関係は知っているとか、保険と年金は得意だとか、いくつかの分野に関わる知識はあったとしても、これだけ幅広い内容を覚えるのは本当に大変です。
FP3級は同じような制度や数字があちこちで出てくる
勉強を進めていると、同じような制度や数値・金額が出てきて混乱します。
特に配偶者のための制度が多く、「配偶者にかかわる特別●●●控除」みたいなのがよく出てきます。
そして、控除額が2,000万円とか2,500万円とかよく似た金額でこんがらがります。3年とか5年とか同じような年数もやたらと出てきます。
さらにどの分野を勉強しても税金が出てきます。
税金・年金・贈与・相続で同じような金額や年数が憎たらしいほど登場します。
さらに配偶者が各制度をややこしくして、覚えにくさを倍増させます。
FP3級は学科と実技にわかれている
ファイナンシャルプランナーがさらに厄介なのは、学科試験と実技試験の2つを受検する必要があること。
学科と実技、それぞれの試験概要は以下の通りとなります。どちらもマークシート方式です。
FP3級学科試験
出題形式:○✕選択、3択 合計60問
FP3級実技試験(下記のどれか1つを選択)
実技試験 | 出題形式 |
個人資産相談業務 | 3択、5題15問 |
保険顧客資産相談業務 | |
資産設計提案業務 | 3択、20問 |
学科も実技もそれぞれ6割以上の正解で合格となります(例えば、学科が7割の正解で実技が5割の正解ならば、学科だけの合格となります)。
実技と言っても、技能試験や面接試験ではなくあくまでペーパー試験なのでご安心を。
とはいえ、実技と学科ではビミョーに出題形式が異なるので注意が必要。
学科は知っているか知らないかを問われる一問一答のような問題パターンです。
実技は応用力が問われるような問題で、事例形式や計算問題が出題されます。
学科の試験は午前中、実技は午後からの実施となるので受験当日は拘束時間が長く、1日仕事で疲れます。
ちなみに、試験時間は学科が120分、実技60分です。
FP3級の難しさのポイントは覚えにくさにある
FP3級は暗記型の試験です。
それなのに、
覚える範囲が広く、同じような制度や金額、年数が多くて覚えにくい
という意地悪な資格なんです。
暗記力に自信のない人にはしんどい資格です(暗記力の衰えつつあるアラフィフおやじのワタシには、とっても辛い資格でした)。
ファイナンシャルプランナー3級の合格率はなぜ高い?
ファイナンシャルプランナー3級は学習範囲が広く、体系的に整理して理解しづらいため、勉強はかなり手こずります。
とにかく、すごく覚えにくいです。
にもかかわらず、合格率は非常に高く合格しやすい資格です。
FP3級は、難易度は高いけど合格率も高いという不思議な資格と言えます。
高い合格率の要因を考えてみます。
FP3級は合格しやすい出題形式
合格率の高さにはいくつか理由がありますが、大きく影響しているのは出題形式です。
学科試験は全60問中30問が○×式の2択、残りの30問が3択となります。
また実技試験も3択で、実技も学科も全て選択式のマークシート方式です。
4割正解すれば学科試験は合格できる?
合格基準は6割以上の正答率でOKとなりますので、合格しやすい資格と言えます。
特に学科試験は問題の半分が2択、残り半分が3択なので、確率的に計算すると4割分かれば合格するといわれています。
さらに言えば、2択の30問中の10問と3択の30問中の10問の正解でギリギリ合格可能です。
つまり、60問中20問正解すれば確率的には合格基準の36問正解で合格となります。
20問正解でギリギリ合格
合格基準:60問中の6割正解なので36問正解すれば合格
2択:30問中、10問正解→残り20問は確率的には1/2で10問正解
3択:30問中、10問正解→残り20問は確率的には1/3で6問正解
20問+10問+6問=36問、なので合格!?
もっとも崖っぷちの合格ラインなので、20問正解を目標にするのはおすすめできませんが。
FP3級の合格率が高いその他のわけ
頻出項目がほんとに頻出
選択式なのでうろ覚えでも正解しやすい
3級は2級のための予備試験という主催団体側の大人の事情(「3級の合格者」が2級の受験資格のひとつ)
やっぱり勉強は必要
合格率が高いので勉強しなくても大丈夫かというとそうではありません。
FP3級の設問は知識を問う暗記型の問題なので、知らないとまったく解けません。
合格のためには、まじめに勉強することが必要です。
↓受検してみた感想はこちらの記事、とにかく難しい試験でした。
FP3級はしっかり勉強しないといけない理由
勉強したほとんどの人が合格できると言われるFP3級、だからこそまじめにしっかり勉強する必要があるんです。
FP3級は落ちた時のダメージが大きい
高合格率なだけに、不合格となった時のダメージは絶大です。
特に、団体試験や会社単位で受検する人は要注意。
業務などで得た知識があるから大丈夫だと安心してはいけません。
ファイナンシャルプランナー3級は広範囲の知識が問われます。
あなたの得意分野の知識はそのうちの一部だけではないですか。
高い合格率や簡単だという世間の声を真に受けて、なんの勉強もせずに受検すると不合格者の仲間入りは確実です。
その場合、「FP3級に合格しないなんて、まじめに勉強しないやつだ」と思われます。
ファイナンシャルプランナー3級の試験に落ちた場合、あなたの評価を一気に下げてしまう恐れがあります。
勉強しなくても楽勝だ、なんて絶対に気を抜かないように。
FP技能士の資格は難化傾向にある?
さらに注意する点がもうひとつあります。それは、FP3級の試験問題は年々難しくなっているということです。
もう一度、直近の合格率の推移を見てください。
今度は先に紹介したのと試験実施日を逆順に並べてみます。
試験実施日 | 合格率 |
2017年9月 | 77% |
2018年1月 | 75% |
2018年5月 | 77% |
2018年9月 | 70% |
2019年1月 | 66% |
2019年5月 | 63% |
下に行くほど最近の合格率となります。徐々に下がっているのが分かるかと思います。
1年で10%近くも合格率が下がっています。2年近くでは14%も下げています。
もしかしたら、FP3級の試験は難化が始まっているのかもしれません。
資格試験はあまりにも合格率が高すぎると、簡単すぎてありがたみが薄れるという事実があります。
なので、試験実施団体は「合格しやすい試験」という評判が広がると難易度をあげることがあります。
ワタシは2019年5月に受験したのですが、直近2回の過去問より格段に難しいと感じました。
それでも合格率は60%以上、3人にふたりは合格する試験なので余裕と思っていませんか?
裏返せば、FP3級は3人にひとりは不合格となる試験だとも言えますよ~。
とにかく不合格者は増えています。甘く見ていると、残念な結果となる可能性が大ですので注意しましょう。
FP3級のおすすめテキストと勉強法
簡単だという世間の声に惑わされると痛い目にあうFP3級ですが、どのような勉強法が必要でしょうか。
できるだけ無理なく効率的に進めたいところですよね。
おすすめテキストや勉強方法をご紹介します。
FP3級のおすすめのテキスト
おすすめテキストは、『スッキリわかる FP技能士3級(TAC出版)』。
無理なく無駄なくとりあえず合格したい人にはとにかくこれ、自信を持っておすすめできるテキストです。
『「試験に出る内容だけ」に特化した、テキスト+問題集のコンパクト基本書』というキャッチフレーズどおりの構成。
短期合格を目指し頻出項目だけを厳選した内容、読みやく分かりやすい文章となっています。
また、ページ数も他のテキストと比べると少ないので、繰り返して読みやすい初心者に優しい良書です。
FP3級の勉強は繰り返しが基本
3級ではそれほど必死に暗記しなくても構いません。
完璧に整理して覚えようとすると時間がかかり、逆に非効率的です。
さらっと流しながら何度もテキストや過去問を繰り返すことが重要です。
とにかく知らないと解けないので、一度でもテキストを読んで知識に触れておくことが大前提となります。
FP3級合格に必要な勉強時間の目安
ファイナンシャルプランナー3級、独学で挑戦する場合の学習時間の目安です。
なんとかギリギリでもいいので合格ラインに達したい場合
→1ヶ月前から学習を開始して40時間前後の勉強時間
知識をしっかり身に付けて確実に合格したい場合
→2ヶ月前から学習を開始して80時間前後の勉強時間
↓さらに詳しい勉強法はこちらをどうぞ
まとめ(難しさの理由と勉強方法)
ファイナンシャルプランナー3級の難しさの理由と勉強方法をまとめます。
<FP3級の難しさの理由>
- 勉強する内容がとにかく広範囲
- 似たような制度や数値が多くて覚えにくい
- 学科と実技という異なる出題形式の試験を受ける
FP3級は知識が整理しづらく、覚えにくいのが厄介なポイント。
<FP3級の勉強方法>
- テキストを繰り返し読んで、テキストの演習問題も必ずやること
- 出題形式を知っておくため、必ず直近の過去問を解いてみること
完璧に覚えようとすると時間ばかりかかって非効率的です。
よって、広く浅くの知識を身につけるために、テキスト繰り返しの勉強が有効です。
FP3級は合格率が高くて楽勝だと言われていますが、まじめに勉強しないと合格できない資格です。
楽勝だと言われているだけに、ファイナンシャルプランナー3級は落ちた時のダメージが絶大です。
FP3級は不合格となった場合、あなたの評価を一気に下げる、落ちたら痛い目にあう資格なんです。
気を抜かずに、しっかりまじめに勉強しましょう。
ファイナンシャルプランナーの勉強で得る知識は、社会生活を送るうえで必ず役立つものばかり。
どうして中学校や高校で教えないんだろうと不思議に思うほどです。
ファイナンシャルプランナーは、人生において役立つお金の知識が身につく有意義な資格です。
勉強してよかったと実感できる資格です。
まじめに勉強するのは大変ですが、合格目ざして頑張ってください♪
↓合格率向上のためにすぐできる秘訣はこちら