この記事はこんな人におすすめ
- FP3級を受験しようと考えている人
- 受検当日の様子が知りたい人
- FP3級の難易度を知りたい人
ファイナンシャルプランナー3級の資格試験を受検してきました。
受検してみた感想は、思った以上に難しい試験ということ。
「これはわかるぞ!」と自信を持って答えられた問題は全体の4割程度でした。
ところが自己採点の結果は8割以上の正答率、合格ラインの6割を余裕で超えていました。
ということで、FP3級は難易度が高いけど合格点を取りやすいというちょっぴり不思議な資格試験と言えそうです。
どうしてそんな不思議な事が起こるのでしょうか、実際に受検してみた体験記です。
勉強開始は3ヶ月前、しかし・・・
トータル学習時間は39時間!?
受験勉強のスタートは試験3ヶ月前の2月末からと早めのスタート。ですが、5月に入るまでそれほど熱心に勉強しませんでした。
というのも、テキストを少し読んだ時点で、「これは楽勝かも」となめた気持ちになってしまったからなんです。
これは楽勝かも、と思った理由は下記のとおり
- 出題形式が2択(○×式)と3択
- 正解率6割で合格
- 既に知識として持っている項目がある(住宅ローン、株取引や経済動向)
ネットで調べても、合格率は60%以上とかなり高いことが分かり、完全に楽勝モードになってしまいました。
なので2月、3月、4月とほとんど勉強せず。
気が付けば5月に突入!さすがにまずいと勉強開始です。
日付 | 勉強時間 |
2月 | 4時間 |
3月 | 3時間 |
4月 | 2時間 |
5月 GW中 | 6時間 |
5月 前々日まで | 11時間 |
5月 試験前日 | 12時間 |
5月 試験当日朝 | 1時間 |
合計時間 | 39時間 |
トータル学習時間は39時間ですが、2~4月に勉強した内容は長期間に渡って少ししか勉強していなかったため、全て記憶から消えてしまっていました。
なので、実質的な勉強時間は本格的に勉強をやり始めてからの30時間と言えるでしょう。
痒い所に手が届かないテキストを使用
今回使用したテキストは『スッキリわかる FP技能士3級』(TAC出版)
実際に本屋で数冊の参考書を見比べて購入しました。一番薄くてすぐ読めそうなものを選択。赤と黒の2色刷りテキストです。
重要キーワードは赤で印刷されており、付録の赤シートで隠すことが出来ます(よくあるやつです)。
「試験に出る内容だけ」に特化した、テキスト+問題集のコンパクト基本書
というのが売りのテキストですが、確かに頻出部分だけをコンパクトにまとめた内容。
項目によっては詳しい解説が無かったりして、「そこもっと深く教えて~」ともどかしく感じることもあります。痒い所に手が届かない作りです。でも逆にそれがこの本のいいところかも。
ちなみに、どうしても深く知りたい部分はネットで調べました。
最小限の労力で合格する事を目的とする人には最適なテキストでしょう。
一方で、FPの知識を極めたい人にはあまりおすすめできません。
(ただし、このテキストで3級をサクッと攻略して、さらに深~く学んで2級や1級へとステップアップしていくのは十分あり。いきなりの初心者がボリューミーなテキストをやるのはしんどいですからね。)
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独学テキスト『スッキリわかるFP技能士3級』5つのおすすめポイント
ファイナンシャルプランナー3級の独学のための参考書に『スッキリわかる FP技能士3級』を買いました。試験によく出る項目をスッキリまとめた初心者向けの良書なのでおすすめポイントを紹介します。FP3級のテキスト選びの参考にどうぞ。
続きを見る
テキストは掲載されている過去問も含めて2周半しました。「半」というのはピックアップされている最頻出項目の部分だけをやった分です。
本試験と同じ過去問題は金財のホームページから直近2回分をダウンロードして、試験前日と試験当日朝にやりました。
参考記事:FP3級の勉強方法
FP3級を独学で合格するために必要な勉強時間や勉強法、おすすめテキストの情報です。
できるだけ短時間でさくっと合格したい方は参考にどうぞ。 FP3級に独学でチャレンジして一発合格しました。おすすめテキストや勉強方法の紹介です。やる気レベル別に3パターンをご紹介。合格するために必要な勉強時間や勉強方法がわかりますので参考にどうぞ。 続きを見る
FP3級に独学で一発合格するための勉強方法【やる気レベル別】
FP3級、試験の概要
試験機関が2つある
ファイナンシャルプランナー、ややこしいことに申込先の試験機関が2つあります。
金財(きんざい、一般社団法人金融財政事情研究会)とFP協会(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会)
どこがどう違うのか、いろいろネット上では解説がありますが・・・
気にするほどの違いはありません。(ただし、実技の「保険顧客資産相談業務」は金財にしかありません。)
出題形式
ファイナンシャルプランナー3級の試験は学科と実技にわかれています。
FP3級学科試験 ○✕選択、3択 合計60問
FP3級実技試験(下記のどれか1つを選択)
実技試験 | 出題形式 | 試験機関 |
個人資産相談業務 | 3択、5題15問 | 金財 |
保険顧客資産相談業務 | ||
資産設計提案業務 | 3択、20問 | FP協会 |
試験時間は学科2時間、実技1時間です。正解率6割以上で合格となります。
金財にした理由
わたしは金財で申し込みました。理由は試験地がFP協会だと遠くになる可能性があるかもと判断したから。
FP協会も金財もHPで過去の試験会場が分かります。FP協会はどちらかというと大阪府の北側、または大阪市の北側の傾向があります。
一方の金財は受験地が「大阪北」と「大阪南」から選択できます。掲載されている過去の受験会場は、「大阪南」だと自宅から近くて行きやすいところが多いです。
FP協会にするか金財にするか迷ったら、「受験会場」で決めるというのもありだと思います。
受検の記録
前日はたっぷり勉強、当日朝も勉強
試験前日は夜中の2時過ぎまで勉強しました。前日の勉強時間は12時間。試験当日朝も7時前に起きて1時間ほど過去問をやりました。ほんと、悪あがき。
でもこういうのが暗記型の試験では効いてくるんですよね。
悪あがきは大切です。直前にやってたことが本番で出題されたりして、無駄な努力とはならず報われること、ちょくちょくありますよ。
受検会場は大阪商業大学
金財で「大阪南」で申し込みをしたら、受験会場は大阪商業大学でした。東大阪市にある大学です。
大阪市南部のわが家からだと、車で行けば20分もかからない距離なんですが、電車だと少々遠回りになって40分ほどかかります。
慣れない路線は停車駅に注意
受験日は5月26日(日)。
午前の実技試験、試験開始は10:00から、集合時間は9:40です。
自宅を8:15頃に出発。谷町九丁目駅で地下鉄を降り、近鉄上本町駅から近鉄奈良線に乗車します。
上本町駅ですぐにやってきた列車に乗りました。
走りはじめてすぐに、「次はつるはし~、つるはし~。つるはしを過ぎるといこままで停まりません」と車内アナウンス。
準急だと思って乗ったら快速急行だったようです。鶴橋を過ぎて生駒まで行ったら大変、行って引き返すだけで30分以上かかるかも。絶対試験開始に間に合いません。
ということで、鶴橋で降りて準急を待ち、乗車。
資格試験では会場に行くのに普段乗りなれてない路線を使います。乗る列車には十分注意しましょう。
河内小阪駅へ行くには準急、区間準急、普通はオッケーとしっかり下調べしてたのに、間違えてしまいました~。
試験会場へ到着
9:15 河内小阪駅に無事到着
大阪商業大学を目指して河内小阪駅から北東方向へ歩きます。他にも会場へ向かっているらしき受験生がたくさんいるのでついて行きます。
受験生は女性の方が多いような感じです。おしゃべりしながら歩く女性数人グループが目立ちます。保険の外交員さん仲間かな。
徒歩数分でキレイな校舎が見えてきました~。
真新しくておしゃれな校舎、ファッションビルのようなたたずまいです。
カッコイイ~と思ったら、これは最近できた新校舎でした。受験会場はここではないようです。中を覗いてみたかったのですが日曜日は休館日のよう、残念。
さらに進むと大きな建物が見えてきました。
9:20 試験会場に無事到着。
この日、大阪商業大学では河合塾の模試もやってました。日本化粧品検定というのもやってました。
教室がある6号館棟は奥の方。
FP3級は2教室、2級は5教室です。1教室おおよそ75人なので、この会場での3級受験者は150名ほどでしょうか。
教室へ到着したのは集合時間10分前です。さっそくテキストを開いて目を通します。ほんと、往生際が悪いですよね。
会場内はやっぱり女性が若干多い感じ。女性:男性は6:4くらい。席が前だったので、どれくらい欠席者がいるかは不明です。
学科試験開始、思った以上に難しい試験です
9:40から試験説明がはじまります。60分経過後から退出可能、終了10分前からは退出不可。
10:00より試験開始。
学科試験の問題は重箱の隅をほじくるようなのが多いです。
基本的なことが3~4割、残りは細かい事を問う問題ばかり。なんか今回は保険に関する問いが多い気がします。
全体的に難易度が高く感じます。自信ありで答えられたのは4割しかありません。
問題は30分程で解き終えました。
見直しはざっくり。自信アリの問題には印をつけていたので、分かる問題が間違えてないかをチェック。あわせてマークシート記入ミスのチェック。分からない問題は考えてもわからないので全て最初に選んだままの答えにしておきました。
マークシートは一箇所記入間違いがありました。自信アリの問いだったので良かった。時間が余ったら、かならず記入間違いのチェックはやりましょう
この時点で50分経過。
退出可能時間の1時間で教室を出ました。他の受験者も半分近くが出た感じですね。
記入ミスをチェックするのは、正解率をアップして合格に近づくためのコツのひとつです。
その他にも正解率をアップするテクニックはあります。こちらの記事で紹介しています。 資格試験や受験で正解率を上げるための5つのテクニックを紹介します。私が実際に心がけて実践しているちょっとしたコツになります。全て試験本番に簡単にできるもののばかりで労力ゼロの方法。合格に近づくための参考にしてください。 続きを見る
資格試験で正解率をアップする5つのコツ、受験本番すぐできるテクニック
ランチの後は、余った時間で勉強
駅前にあるマクドナルドでランチ、エグチセット500円。
家族でマクドへ行った時はみんながセットを頼むとすぐに3,000円くらいになるので、わたしは100円のハンバーガーしか食べません。(※関西ではマクドナルドのことマクドって言います。)でも、今日は500円のセット。
家族4人で来ると「マクドって高いな~」、1人なら「マクドって安いな~」と感じるのはなぜでしょうか?
これ家族持ちの人のあるあるだと思うんですけど~。
マクドナルドで昼食をとりながら、テキストを開いて午後からの実技試験の復習。とことん悪あがきです。
12時を過ぎると店内が混雑してきたので店を出ました。
試験会場に戻り、用意されていたフリールーム(休憩室が3室ある)にて実技試験の勉強。
絶対に出るであろう、相続税の総額の計算と法定相続分の計算を再確認。
FPの試験はとにかく拘束時間が長いです。午前と午後の空き時間も長くて過ごし方に悩みます。
試験当日の注意点や過ごし方を知りたい方はこちらの記事をどうぞ。 ファイナンシャルプランナーの試験は午前の学科と午後からの実技に分かれています。試験会場への行き帰りも入れると、拘束時間は5~6時間もあります。試験時間が長い受検当日の注意点などをまとめました。これから受検する方は参考にどうぞ。 続きを見る
ファイナンシャルプランナーの試験時間は長い!受験当日の過ごし方や注意点
実技試験開始、やっぱり予想以上に難易度が高い
集合時間の10分前に教室に戻ります。
学科試験と同じ教室ですが、着席する場所は午前の実技試験とは違う席です。今度は後ろの方だったので、教室内を見渡してみましたが、欠席者は非常に少ない、1割もいない感じ。
実技は13:30から開始。試験時間は1時間で、途中退出はできません。
実技試験はゆっくり解いても30分くらいで終わります。う~ん、分からないところが多いです。
自信ありは15問中4問ほどしかありません。ちなみに相続税の総額の計算はしっかり出題されてましたよ。
残った時間でマークシートの見直しと問題の見直し。ただし、見直しても分からないものは分からないのではじめに選んだ答えのままです。
「迷ったら最初の答え」というのは、はるか昔わたしが受験生だった頃からの有名な試験テクニックですしね。
最後にもう一回マークシート記入ミスのチェック、5分余りました。
今回の試験は難易度が上がってる気がします。過去問よりずっと難しい、2回分しかやってないけど。
もしかしたら、FPの試験は難化がはじまったのでしょうか・・・
どんな資格試験でもなめたらあかんねんな~と、モヤモヤした気分で帰路につきました。
途中、近鉄上本町店のジュンク堂書店に寄り道。次のターゲットになるであろう宅建士のテキストをチェックを兼ねて立ち読み。宅建士のテキストって高いし分厚いな~。
テキストは買わずにちょっと関係ありそうな民法の入門書を買いました。
(結局、宅建士ではなくFP2級を9月に受検することにしました。宅建士は来年挑戦する予定。)
資格のテキスト代ってバカにならないですよね~。わたしが実践しているお安く本を買う方法です。 本代を少しでも減らしたい人のためにお得な方法を紹介します。ジュンク堂あべのハルカス店、ジュンク堂近鉄上本町店限定ですが、7.7%OFFでお買い物ができる方法です。 続きを見る
実践中!本をお安く買う方法:ジュンク堂あべのハルカス店の場合
解答速報で答え合わせ
予想以上の高得点!
帰宅したのは16:30、気分転換に犬の散歩。
すぐにでもビールを飲んで、ほろ酔いになりたかったんですが、17:30から金財のホームページに模範解答が掲載されるのを待ちます。
答え合わせの結果、学科は60問中48問正解、実技はなんと15問中14問正解でした。
予想外の高得点!合格確実やった~♪
4割わかれば合格ライン?
今回の試験では、自信ありの答えは全体の4割ほどでした。正答率6割以上で合格なので、普通に考えたら4割しかわからなければ合格なんて程遠いはず。でもFP3級の場合、4割分かれば確率的には合格ラインなんです。
理由は出題形式が○✕2択が30問で適当に答えても半分正解、3択が30問で適当に答えても3割強正解。なので、細かい計算は省きますが、4割わかれば確率的には合格ラインになると言われています。
さらにいうと、一応勉強しているので、適当に答えたつもりでも選択肢が少ないため正解していることが多くなります。わたしのように直前に集中して勉強しても十分合格することが出来ますよ。
ただし、4割でいいのか~と学習の手を緩めないように。4割わかるためにはチェック問題もしっかり解きながらのテキスト最低2周は必要です。
まとめ
ファイナンシャルプランナー3級は、勉強すれば必ず合格できる資格です。
勉強することによって人生で役立つお金の知識が身につくので、社会人なら受けて損はありません。
FP3級は実生活で役立つ知識を効率的に勉強できる無駄にならない資格、それが受検してみた正直な感想です。
受検しようかどうか迷っているなら、ぜひチャレンジしてみてください。
FP3級はまじめに勉強しないと痛い目にあう資格!?
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FP3級の難易度は高い!落ちたら痛い目にあう理由【まじめな勉強が必要】
FP3級は合格しやすいと言われています。ところが、勉強する内容は広範囲で難しく、まじめな勉強の必要がある資格です。どのような点が難しいのか、なぜ合格率が高いのかをまとめました。おすすめテキストと勉強方法の紹介もあります。
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FP2級の受験体験記
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FP2級を受験した当日の記録、とっても難しい試験でした
ファイナンシャルプランナー2級の受験当日の記録です。試験は午前と午後にわかれており、お昼ごはんをはさんでの長丁場でした。試験会場の様子や試験内容の感想などの紹介です。
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